CCBJニュースレター

在日ブラジル商工会議所は、毎月会員の皆様あてにニュースレターをお届けしております。4月号では、プロモーション·ブラジル代表の幕田マリオ氏に在日ブラジル人起業家の特徴についてご寄稿いただきました。

 

在日ブラジル人の職業能力開発

プロモーション・ブラジル代表取締役

幕田マリオ氏

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより世界中で多くの人々が影響を受けた。在日ブラジル人が運営する企業、特に小規模経営の会社もその余波を被っており、政府からの支援を受けても廃業を余儀なくされた会社もある。

在宅勤務の普及でレストランなどの飲食産業は大幅に売上が減少した。また外出自粛も売上減の要因となった。

その一方で、例えば群馬県内では、ブラジル人向けの飲食店がデリバリーやテイクアウトを強化し収益アップに成功している。コロナ禍にあっても40%もの増収を達成したケースもある。こうした現象は、多くの人がソーシャルディスタンスを守り人混みを避ける生活を続けていた事実を裏付けるものだ。

先日、プロモーション・ブラジルでは30名の起業家を集めライブ配信を開催した。そのうちの何名かは、コロナ禍で業種の転換を余儀なくされたと語った。私自身も元々はイベント会社を経営していたが、パンデミックの影響でイベント活動が一時的に中断される事態となったため、危機回避のためオンラインイベントや不動産投資分野に鞍替えした。

在日ブラジル人コミュニティは現在第3世代、第4世代の時代に入っている。デカセギ第1世代と比べ、現在の若者たちは学歴も向上しており、職業能力開発講座を自分で探して受講するなど日本社会で生きていく準備ができている。ソーシャルメディアやホームページなどを活用する彼らは、在日ブラジル人コミュニティ草創期のブラジル人起業家とは異なる特徴を持っている。

彼らの多くはテクノロジーや食品分野などに進出し、在日ブラジル人マーケットだけでなく、日本人マーケット向けにも事業を展開している。

在日ブラジル人コミュニティ内でも日本への輸入や投資に関する講座が開かれている。コロナ禍で職業能力の重要性が改めて浮き彫りとなり、そうした現状へのブラジル人の意識も高まっている。

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