CCBJニュースレター

在日ブラジル商工会議所は、毎月会員の皆様あてにニュースレターをお届けしております。7月号では、在日ブラジル人を支援する会(サビジャ)の田村エリカ理事長に、在日ブラジル人コミュニティの潜在能力についてご寄稿いただきました。

在日ブラジル人コミュニティを支援するNPOサビジャ

NPOサビジャ理事長

田村エリカ氏

NPO法人の役割について考えるとき、「支援」や「受容」、「サポート」といった言葉が思い浮かびます。

しかし、私たちNPOサビジャ(在日ブラジル人を支援する会)の役割はそれだけにとどまりません。支援やサポートは、我々の活動の基礎となるものですが、サビジャではその上にさらに在日ブラジル人コミュニティの社会的地位の向上やエンパワーメント、発展に向けた思いを重ねていきたいと考えています。

まずは、在日ブラジル人コミュニティが持つ高い能力に着目すべきではないでしょうか。

在日ブラジル人コミュニティが日本社会に対して与えられるものは多いと信じることが、我々の活動の強化につながります。

私はNPOサビジャに入った当初から、我々のコミュニティが決してプラトンの「国家」のようにはなってはいけないと考えてきました。我々は、このギリシャの哲学者の著書に書かれているような、鎖に繋がれ、壁に投影された影を見て世界を知る存在になるべきではありません。そうならないために、我々はたゆまぬ努力を続けているのです。

日々の業務では、火消しに躍起になることに終始しているように感じ落胆することもありますが、同じ過ちを繰り返さないためにも火種となった原因まで探るよう努めています。ミスは避けられないものである以上、そこから学ぶことが不可欠なのです。

技術的概念にしか目を向けないような社会からは、柔軟で利他的かつ寛大な精神を持った市民は生まれません。他人の立場に立って考える能力を持たない人間に、人として進歩する余地はありません。失敗から学ばない社会は、たとえGDPで満足のいく成果を得られたとしても、新たな課題を克服することも、混沌とした未来に立ち向かう力のある人々を育むこともできないでしょう。

NPOのような組織で働くことは、最も崇高かつ洗練された挑戦だと言えますが、目に見える結果が現れ始めると、人間が感じ得る中で最も純粋な満足感を得られる仕事でもあります。

NPOサビジャでは以下のサービスを提供しています。

. 心理カウンセリング

. 法律相談

. 学習相談

. ポルトガル語によるWISC検査

. 職業適性検査

. 生活支援

. 講演とセミナー

. オンライン日本語講座

. 溶接講習

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