在日ブラジル商工会議所は、毎月会員の皆様あてにニュースレターをお届けしております。1月号では、日本とブラジルの両国間で行われてきた取組みや政治経済、文化面での今後の展望について、外務省の小林麻紀中南米局長にご寄稿いただきました。
「新年の御挨拶」
外務省
小林麻紀中南米局長
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
この一年の在日ブラジル商工会議所の皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
新型コロナの世界的拡大から三年目に入り、未だ様々な制約が続く中で新年を迎えることとなりました。昨年はこうした制約の中でも日伯間の様々な対話・協力を進めることができました。政府間では、1月に茂木外務大臣(当時)がブラジルを訪問してボルソナーロ大統領を表敬、アラウージョ外務大臣(当時)と会談、10月には次官級政策対話を東京で行い、12月には林外務大臣がフランサ外務大臣と電話会談を行いました。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化、ポストコロナに向けた経済活性化、気候変動や軍縮不拡散といった国際社会の課題対応への協力等につき幅広く議論がなされました。オリンピック・パラリンピック期間中にはローマ市民大臣とマガリェンス・スポーツ大臣が訪日され、ブラジル選手団がオリンピックでブラジル史上最多の21個、パラリンピックでも史上最多タイの72個のメダルを獲得した姿に日本国民も大いに感銘を受け、勇気づけられました。
また、「日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議」や「日ブラジル経済合同委員会」がオンライン開催され、デジタル社会の進展、経済活動と気候変動対応との好循環、食料・エネルギー安全保障を重視した貿易投資の拡大等に連携してとり組む決意なども確認されました。
このコロナ禍にて改めて、直に会い、協議の合間に個人的親交を深めること、現地を見てその空気に触れることの大事さを痛感させられました。同時に、この難局があったからこそオンラインやハイブリッド形式の会議が対面に近い雰囲気の中で実施できる工夫が広がり、より頻繁に、また簡易に意見交換できる選択肢も増えました。
ポストコロナの世界は、その意味でも失われた時を埋める以上の、新たな活力を吹き込むものとなると期待しています。また、そうした期待を実現していく施策を進めていかねばなりません。これまでの政治、経済、科学技術、文化等裾野の広い強固な友好協力関係を一層強化し、共に発展、共に啓発、共にイニシアティブをとっていけるよう、皆様のお力も拝借していきたいと思います。
本年ブラジルは独立200周年、益々の飛躍の年を迎えます。世界情勢も様々な課題は山積ですが、「戦略的グローバルパートナー」である日伯が一層緊密に協力していける年としたいと考えます。
在日ブラジル商工会議所の皆様方には、二国間の経済関係の緊密化のみならず、ブラジルフェスティバルをはじめとした市民レベルでの交流にも多大な貢献を頂いており、改めて深く感謝申し上げます。最後に、皆様のご多幸と一層のご繁栄を心から祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。