2022年2月22日(火曜日)AM8:30~10:50(日本時間)
プログラムのお知らせ
(下記セミナー概要に続き、プログラムを掲載しておりますのでご覧ください)
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セミナー概要:
鉄鋼は現代社会を支える柱の一つであり、私たちの生活の様々な場面で活用されています。経済活動に不可欠な鉄鋼は、大量の温室効果ガスの排出源でもあります。鉄鋼生産は世界の排出量の約7%を占めると推定されています。気候変動への取り組みのなかで、この部門の排出量削減は急務です。
一般的に鉄鋼生産の脱炭素化は難しいとされています。確かに大きな課題はありますが、楽観できる根拠もあります。導入されれば鉄鋼部門の排出量を比較的低コストで短期的に大幅削減でき、生産チェーンの企業もスムーズに移行できる技術的なソリューションが存在します。
石炭を再生可能バイオマスで代替してカーボンニュートラルな鉄鋼を生産する方法は有効な解決策の一例です。模範的事例は製鋼生産設備能力60万トンのアッソ・ヴェルジ・ブラジル(AVB-Aço Verde Brasil)社です。同社は国際的な認証を受けており、このほど権威あるS&Pグローバル・プラッツ・メタル・アワード(S&P Global Platts Metals Awards)のESG 革新賞(ESG Breakthrough Award)を受賞しました。審査委員会は授賞に際し、AVB社が「化石燃料を用いずに鉄鋼を生産し、数百万トンの二酸化炭素の環境への排出を回避している」ことを評価しました。また同社は「100%再生可能なエネルギーを使用して『グリーン・スチール』を生産している」としています。
ブラジルではカーボンニュートラルなグリーン銑鉄の生産も実現し、バイオマスのみを用いて年間700万トン以上の銑鉄を生産しています。これはすでに存在するソリューションです。
その他の革新的ソリューションとして、ブラジルのヴァーレ社が開発した「グリーンブリケット」があります。このブリケットを用いることで同社の顧客は鉄鋼生産に伴う温室効果ガス排出量を最大で10%削減できます。また、製鋼工程にニオブを配合することで、温室効果ガスの排出量を大幅に削減できます。
一方で、天然ガスや水素を用いた鉄鋼生産の道を模索している企業もあります。
ブラジルと日本の企業に既存の有望なソリューションを紹介すべく、駐日ブラジル大使館は鉄鋼部門の脱炭素化に関するセミナーを開催します。皆さまのご参加をお待ちしております。
プログラム
8:30 開会挨拶
- エドゥアルド・パエス・サボイア ブラジル連邦共和国駐日特命全権大使
- 新川 達也 経済産業省大臣官房審議官(製造産業局担当)
8:45-9:30 パネル1:脱炭素化政策-部門別の展望
- クリスチーナ・ユアン インスティチュート・アッソ・ブラジル(ブラジル鉄鋼生産者協会)インスティテューショナル・アフェアーズ・ディレクター
- 小野 透 日本鉄鋼連盟特別顧問
- ファウスト・ヴァレラ・カンサード ミナス・ジェライス州鉄鋼業組合理事長
- 質疑応答
9:30-10:45 パネル2:脱炭素ソリューション-技術と製品
- ルイス・アウケレス ヴァーレ・アジア株式会社代表取締役社長・日本カントリーマネージャー/ステフェン・ポッター ヴァーレ社メタル担当グローバル・ディレクター
- サンドロ・ハポーゾ アッソ・ヴェルジ・ブラジル社エグゼクティブ・ディレクター
- レオナルド・シルベストレ CBMM社構造材料技術担当エグゼクティブ・ディレクター/アレシャンドレ・ジョルダン CBMM社ニオブ・マーケット開発担当スペシャリスト
- 質疑応答
10:45-10:50 閉会挨拶