在日ブラジル商工会議所は、毎月会員の皆様あてにニュースレターをお届けしております。7月号では、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって起きた様々な変化について、アイピーシー・ワールドの村永裕二社長にご寄稿していただきました。
事業活動の新たな日常
アイピーシーワールド社長
村永裕二氏
100年以上に始まった男性と同等の地位を求める女性の闘いは、第2次世界大戦で戦線に向かった男性に代わり彼らが占めていた役割を女性が担わざるをえなくなったことから急速に前進した。
また戦争によって女性の社会進出だけでなく、消費や生活様式の変化を含む様々な「新たな日常」が生まれた。
同様に、現在新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、これまでの日常が新たな日常に取って代わられようとしている。そして今生まれつつある新たな日常は、時代が早送りで進んだことを示している。例えば、SF映画などでよく登場し近未来の世界では当たり前になると思われていたビデオ会議は、新型コロナによって一気に普及が早まった。
女性の社会進出は、美しさと利便性の両立を主題としつつ、仕事服や化粧品、働く女性向けの飲食店など、新たな製品やサービスを生み出す。
また新型コロナウイルスの影響で、従来の商品やサービスに新たな需要や変化が生まれており、今後は自由と安全(健康)の両立を主題としつつ、仕事服や化粧品を含む様々な新商品、飲食店などもこうした変化に対応することになるだろう。
このように、商品やサービスを開発する側は新たなニーズに早急に応える必要がある。昨日まで我々が観ていたドラマは、5章から一気に50章まで進んでしまった。便利さや美しさは依然として重要だが、もはや主役ではない。
この文章が書かれた2020年6月、日本は新たな日常へのカウントダウンに入っている。7月1日以降、日本ではプラスチック製買い物袋が有料化される。今後はエコバッグを日常的に持ち歩く人が増え、エコバッグが車や洋服のアクセサリーのようにステータスシンボルとなることは確実だろう。
研究開発に携わる人や経営者にとっては、今こそ気を引き締めて仕事に取り組む時だ。