CCBJニュースレター

在日ブラジル商工会議所は、毎月会員の皆様あてにニュースレターをお届けしております。12月号では、早田幸太郎弁護士(写真)に、日本で外国法事務弁護士として活動するために必要な資格や申請手続きなどについて解説していただきました。

 

日本での弁護士としてのキャリア

早田幸太郎

外国法事務弁護士

2023年8月1日の官報に、私の外国法事務弁護士資格承認に関する法務省の告示が掲載されました。2023年10月2日には、日本弁護士連合会(日弁連)と東京弁護士会に正式に登録され、日本に487名いる(2023年11月1日現在)外国法事務弁護士の一人となりました。

日本で弁護士となることを決意して以来、計画、準備期間を経て実現までに丸々5年の月日がかかりました。

2018年7月31日、出張先でニコラ·フロレンザーノ·ネト弁護士(岐阜県可児市在住)に会う機会に恵まれました。同氏から「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法」(1987年制定)に基づき日本で取得した外国法事務弁護士の資格や仕事内容について話を伺い、自分も再び法律分野に関わる業務に携わる可能性があることに気づかされました。

 

しかし、日本とブラジルでは裁判や法律が異なるため、さらに知識を深める必要がありました。そんな時、関東地方の法廷通訳者ルイス·ナカノ氏の寄稿文を目にしました。そこには、原告であれ被告であれ当事者に法的保護を求める声を表明する機会を与えるという観点から、司法手続きにおける法廷通訳の必要性とその役割について書かれていました。

そこで私は、2020年に日本司法通訳者連合会主催の司法通訳養成講座を受講し、2022年には東京外国語大学と青山学院大学共催の司法通訳養成講座も受講し、司法通訳の分野に専念することを決意しました。

また、日弁連や慶應義塾大学など日本の法科大学院が主催するセミナーや会議にも参加し、ブラジル人の大学教授や法科大学院生と知り合う機会を得ました。

ルイス·ナカノ氏とルイス·ヨシダ氏(愛知県在住の法廷通訳者)から伝授された様々な教えや知識、通訳技術に加え、実務の経験を積むために日本司法支援センター(法テラス)や東京地方検察庁、法律事務所などで法廷通訳としても活動しています。常に私を励まし支えてくださった恩師のマルシア·へジーナ·アライ·タヴァレス小柴先生(愛知県岡崎市の弁護士)にも大変お世話になりました。

外国人弁護士資格の申請には、法学士の学位に加え、ブラジルの弁護士協会への登録や法律の知識と経験が求められます。日本には正式に登録されたブラジル人弁護士が6名おり、そのうち4名は日本とブラジルの両国の弁護士資格を持ち、2名は日本国内でのみ弁護士として活動しています。

 

私や他の弁護士の方々が実現できたことは、他の多くのブラジル人にとっても、意志と適切な指導があれば実現可能だと確信しています。そのためにも、ブラジル人コミュニティのリーダーや行政機関からの支援にも期待しています。

私はサンパウロ·カトリック大学(PUC-SP)法学部を卒業後、サンパウロ大学で経営学修士号を取得し、PUC-SP COGEAEで契約に関する専門知識を学び、IBMEC-SPで金融市場法の法学修士号を取得しました。金融や契約、銀行、プロジェクト管理の分野でキャリアを積み、現在はキョウダイ·レミッタンスに勤務しています。

Facebook
Twitter
LinkedIn
Pinterest
WhatsApp