CCBJニュースレター

在日ブラジル商工会議所は、毎月会員の皆様あてにニュースレターをお届けしております。3月号では、有限会社ワールドリンクス代表取締役の野呂正道氏にご寄稿いただきました。同社はブラジル製品の日本への輸入で長い伝統を持ち、最近ではコーヒーの生豆の輸入や在日ブラジル人の好みにあった挽き方や焙煎度のコーヒー豆の製造·販売に力を入れている。

 

世界につながる

 

ワールドリンクス代表取締役

野呂正道

 

 

 有限会社ワールドリンクスは1998年8月に埼玉県川口市に誕生、社名の由来は食文化の交流を通じて世界につながるという夢が込められている。創業当初はキッコーマン醤油やエスビー食品のカレールーなど日本食品をブラジルに輸出していた。世界的な日本食ブームの恩恵もあり、取扱品目は海苔、調味料、ふりかけ、日本酒から菓子類にいたるまで徐々に広がり、ブラジル経済の厳しい経済状況の中でも売上は比較的順調に推移してきた。

 

2007年5月にはレストラン部門を設立しシュラスカリア「グリル カッピン・ドウラード」を埼玉県鶴ヶ島市で始めたが、2008年10月には株式会社カッピンドウラードを設立してレストランに加えブラジル食材、ペルー食材を扱う小売店事業もスタートした。小売店「ブラジルストア(鶴ヶ島市)」から得られた商品情報や顧客層情報はその後のワールドリンクスの活動の幅を広げる大きな手助けにもなった。

 

 輸入卸業に本格参入したのはこの10余年と歴史は新しい。2012年にブラジル最大手洗剤メーカーであるキミカ・アンパロ社(YPEブランド)の食器洗剤や柔軟剤、2015年からは焼菓子メーカーであるパンドゥラッタ社のビスケット、ウエハース、パネトーネを輸入。コーヒー生豆、焙煎コーヒー、パルミットなど徐々にブラジル食品の輸入扱いも増えてきた。

 

 焙煎コーヒーについては最近新しい試みをはじめた。日本在住のブラジル人は、中細挽で香り高い濃厚なコーヒーを好む。そこでブラジルのミナスジェライス州オリベイラ市にコーヒー農園をもつ栃木県益子市のITC㈱(益子珈琲)にブラジル人の好む味を一からつくってもらった。ブラジルから日本に輸入した生豆を日本に住むブラジル人向けに焙煎し挽いた商品となる。農園の名前「(Café Fazenda Sonho Verde」をストレートに商品名とした。「小ロット製造なので、一番いいかたちでお客様にお届けできるから好評」だという。「ブラジルのシッチオ(故郷)で飲んでいた懐かしいコーヒーの味だ」という声も聞かれる。

 

 いま日本国内在住の外国人を取り巻く環境も大きく変わってきた。2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災によって日系ブラジル人の働き手は大幅に減少した後、ベトナムやフィリピンなど東南アジアの働き手が増えてきた。

 そのアジア系外国人の食材を提供する窓口になってきたのが各地に点在するブラジル食材店ともいえる。ブラジルストアの村元シルビオ店長によれば「最近ではお客様の3割はベトナム、フィリピンなどアジアのお客さんです。インドネシア、スリランカ、ネパールのお客様も増えてきました」と語る。ブラジル中心であったワールドリンクスの輸入商品構成も東南アジア、欧州など多方面にわたる。「食文化」の交流を通じて世界につながる、という創業当初の思いが少しずつ形になってきたともいえる。

 

お問い合わせ:

 

有限会社 ワールドリンクス

千葉営業所

千葉県袖ケ浦市三箇972-1

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