記事·写真:羽山ネイデ
呼吸器専門医のオラヴォ·ヒベイロ·ホドリゲス氏は、8月4日から14日にかけて、在日ブラジル人の重病患者が本国で統一医療システム(SUS)の治療を受けられるように帰国させることを目的に来日した。
同氏の来日は過去16年で20回目となる。ホドリゲス医師によると、この16年間に42名のブラジル人が帰国を果たしたが、そのうち今も生きているのはわずか5名。大半は大腸がんや肺がん、肺気腫、膵臓がん、胃がん、肝硬変、腎不全、脳出血などの末期患者で、95%がブラジル帰国後1年以内に亡くなっているという。
医師は、在日ブラジル人コミュニティを対象に60歳以降の病気の危険に関する意識を高める取り組みを実施する必要があると訴える。「私が相談を受けたブラジル人は、保険料を継続して納付していなかったために年金がもらえず、健康保険にも加入していない人が多く、生活保護を受けている人もいる」とした上で、「日本政府にとって、1ヶ月10万円の生活保護を支給するよりも、帰国のための航空券購入を補助する方が経済的だ」と述べた。
また新型コロナの流行の影響でビザの発行手続きに時間がかかっているために医師の来日が遅れたことから、今年2月から7月の期間にオンライン診療を行っていた在日ブラジル人患者5名は、帰国を果たす前に亡くなってしまったという。
長生きするために高齢者が注意すべき主な病気
1 高血圧
2 肝硬変(肝炎や飲酒に起因)
3 がん
4 腎不全
5 脳出血
6 心筋梗塞
7 糖尿病
8 肺気腫