ブラジル館のポンチョ「パランゴロモス」が大人気 ブラジル・アートに着想を得てTシャツをデザインした女性がブラジル館を訪問

ブラジル館の第2展示棟には、「パラゴロモス・ルーム」があります。ブラジル館はブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)によって運営されており、キュレーターのビア・レッサ氏により、「考察」と「祝い」の空間となるよう計画されました。

「パラゴロモス・ルーム」には、12点のブラジルのアート作品が展示されています。その中のひとつ「視点(Ponto de Vista)」は、アーティストのカロリーナ・マルチネスによって制作されました。彼女はブラジルで美術史と建築を学び、ブラジル各地や国外で展覧会を開催してきた経歴を持っています。

カロリーナ氏は絵画、彫刻、写真など複数の手法を駆使しながら、空間や建築、空虚といったテーマを探求しています。彼女の作品は、建築、現代生活、そして都市空間をめぐる視点から、鑑賞者に思索を促します。

カロリーナ氏のアート作品は、日本人来場者の池田華淑(いけだ かすみ)さんの心を動かしました。池田さんはカロリーナ氏の絵をとても気に入り、自身のTシャツにその絵をデザインしました。大阪在住の彼女はこれまでに5回もブラジル館を訪れており、今回は家族とともに来場。ブラジル館の館長、パブロ・リラ氏によって出迎えられました。

家族にはパラゴロモスがプレゼントされ、池田さんにはもちろんカロリーナ氏の絵がプリントされたパラゴロモスが贈られました。池田さんはプレゼントに感動し、「このアートが本当に気に入って、写真を撮りました。次の日にはもうTシャツに絵を描いていました。この作品は私の心を打ったんです」と語りました。また、「パラゴロモス・ルームの展示がとても美しく、ブラジルに行ってみたいという気持ちになりました」とも話しました。

環境保護をテーマとした第1棟の展示を見た後には、「これからはリサイクルなどエコなことを考えながら生きていきたいです。ブラジルは食料生産も豊かなので、日本と一緒に何かを作れたら素敵だと思います」とコメントしました。

ブラジル館の館長パブロ・リラ氏は、「この訪問はとても嬉しい出来事でした。特に、ブラジルのアートがご家族の心に響き、感動を与えたことが嬉しいです」と語りました。

パランゴロモス

「パランゴレ」は、ブラジルのアーティストであるエリオ・オイチシカによって制作された作品です。着用してパフォーマンスするために作られたさまざまな形の衣装で、1964年から1979年の「トロピカリア運動」の時代に作られました。ブラジルで日常的に着る衣装ではありません。

ブラジル館のキュレーター、ビア・レッサ氏の目的は、ブラジル館のメッセージを物理的な空間を超えて広め、人々に世界を変えるための集団行動を呼びかけることにあります。こうして、レッサ氏が語るように、「来場者自身も展示の一部となる」のです。

ブラジル館の「パランゴロモス・ルーム」は、アロルド・ヂ・カンポスの詩「Parangoromos(パランゴロモス)」にインスピレーションを受けています。「パランゴロモス」はオイチシカが制作した衣装「パランゴレ」と、軽やかさや精神性と結びついた日本の伝統衣装である「羽衣(Hagoromo)」とを融合させたものです。カンポスの詩を通して、エリオ・オイチシカの作品と日本文化とが結びついたのです。

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