CCBJニュースレター

Presidente da República, Luiz Inácio Lula da Silva, durante cerimônia de despedida. Hotel Imperial, Tóquio - Japão. Foto: Ricardo Stuckert / PR

在日ブラジル商工会議所(CCBJ)は、会員の皆さまに向けて定期的に電子ニュースレターを配信しています。

4月号では、天皇陛下がルーラ大統領を迎えて催された宮中晩餐会にてお述べになったご挨拶(宮内庁の許可を得て掲載)を特集しております。

ご覧いただくには、以下のリンクからご確認ください:

会員の皆様

ブラジルのルーラ大統領が3月に国賓として訪日し話題となりました。今回の訪日では、貿易面だけでなく両国の友好関係強化でも大きな成果がありました。

外交関係樹立から今年で130周年を迎える両国の友好関係は、ルーラ大統領や招待客が出席した天皇陛下主催の宮中晩餐会でも示されました。

今月号では、宮内庁の許可を得て、宮中晩餐会での天皇陛下のお言葉を掲載しました。

大統領の訪日中には様々な協力協定が締結されました。とりわけANAとエンブラエル社の合意でブラジルの注目度が高まりました。ANAはエンブラエル社に航空機15機を発注しています。

今年のブラジル・ラテンフェスティバルは7月19日(土)、20日(日)に開催いたします。
19日土曜日のステージのラストには、スペシャルゲストとして歌手の宮沢和史さんが登場します。そのほかにも色々とサプライズを用意しておりますので、ご期待ください。

どうぞよろしくお願いします。

CCBJ会頭
行徳セルソ

(寄稿)
宮中晩餐におけるお言葉 令和7年3月25日
この度、ブラジル連邦共和国大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ閣下が、令夫人と共に、国賓として我が国を御訪問になりましたことを心から歓迎いたします。

私たちは本年、1895年にブラジルと我が国との外交関係が樹立されてから130年の節目の年を迎えます。この130年にわたる交流の中で、日ブラジル両国関係は、政治や経済にとどまらず、文化、スポーツなど幅広い分野に裾野を広げ、近年ますます緊密になっています。ブラジルから日本への訪問者数も年々増えています。また、約21万人のブラジルの人々が現在我が国で生活し、経済活動や地域社会の活性化、そして日本とブラジルとの人的交流に重要な貢献をされており、日本各地で毎年ブラジル・フェスティバルが開催されています。ブラジルでは、若い日系人の方々の活躍もあり、北部のアマゾン地域から南部に至るまで、日本祭りが各地で大きな盛り上がりを見せているとも聞いております。本年の「日本ブラジル友好交流年」を通じて、両国の友好関係がますます深まることを切に願います。

顧みれば、1982年、私の最初の海外公式訪問国はブラジルでした。当時のフィゲイレード大統領を始め、ブラジルの皆さんから温かい歓迎を受けたことをよく覚えております。それとともに、貴国の国土の広さ、多様性、そして人々の明るさが強く印象に残っています。

2008年、日本人ブラジル移住100周年にあたり、私は再び貴国を訪問いたしました。その際には、ブラジリアで貴大統領から大変心のこもったおもてなしを頂きました。それから17年、御夫妻をこうして国賓として日本の地にお迎えし、晩餐会を開催できますことを誠に感慨深く思います。

ブラジルを訪問した際には、初期の日本人移住者の皆さんの手作りの道具類や資料を目にし、移住された皆さんが、様々な御苦労を乗り越えながら努力を重ねられたことを感じました。祖国日本を遠く離れ、ブラジルに移住された方々とその子孫である日系人の方々は、ブラジル社会の発展にも大切な一員として貢献してこられました。その背景には、日本人移住者を温かく迎え入れてきたブラジル政府、そしてブラジル国民の皆さんの御厚意があったことを忘れることはできません。ルーラ大統領の国賓としての訪日を歓迎する晩餐会に、これまで両国の友好関係の増進に寄与されてきた日系ブラジル人の方々が出席されていることをうれしく思います。

日本とブラジルは、長年にわたって様々な分野で協力してきました。持続可能な開発の分野では、ブラジル北部において、日系農家の方々が胡椒や熱帯果樹、樹木栽培を組み合わせた森林農法を開発され、我が国からの専門家の派遣や熱帯果樹のジュース加工工場の整備等の支援を通じて、持続的な土地利用や森林保全が今日まで引き継がれています。また、ブラジルの広大なサバンナ地帯で、「不毛の大地」と呼ばれていたセラードを農業地帯として開発する過程では、日系人や我が国のJICAを含む多くの人々が尽力されたと聞いています。私自身も、ブラジリアの「セラード農牧研究センター」を二度訪問する機会がありました。日本とブラジルの長年の協力により、ブラジルが今や世界に誇る食料供給国となっていることを喜ばしく思います。

現在、世界では、気候変動の影響を受けた自然災害が多発しています。昨年、貴国リオ・グランデ・ド・スール州で発生した豪雨による洪水により、多くの尊い命が失われ、被災された方も多数に及んだことに心が痛みます。一日も早い復興を心よりお祈りいたします。日本でも、昨年、能登半島地震を始め、豪雨などによる多くの自然災害が発生しました。貴大統領が重視しておられる環境・気候変動の分野、そして防災の分野において、今後も日本とブラジルが協力して世界に貢献していくことを願っております。

東京では桜も咲き始め、我が国は今、美しい春を迎えようとしています。大統領御夫妻の我が国御訪問が、実り多く、思い出深いものとなることを願うとともに、お二方の御健勝とブラジル国民の幸せを祈り、杯を挙げたく思います。

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