在日ブラジル商工会議所は毎月会員の皆様あてにニュースレターをお届けしております。5月号では、ブラジル銀行在日支店のアリソン·アギアール·ダ·コスタ支店長に、日本での投資のために同行が提供する各種サービスについてご寄稿いただきました。
日本への輸出とビジネス拡大
ブラジル銀行在日支店支店長
アリソン・アギアール・ダ・コスタ
日本市場への進出は、ブラジル企業にとって絶好のビジネスチャンスです。日本は高品質な製品と革新性を評価する市場であり、さまざまな分野に門戸が開かれています。一方で永続的なパートナーシップの構築のためには、商習慣や文化の違いを理解することが極めて重要となります。
なぜ日本に投資するのか？
日本は世界第4位の経済大国であり、一人当たりの所得が高く、人口は1億2400万人に上ります。日本はその地理的特性や、国土・天然資源ともに限られいることから、ブラジルの主要輸出相手国の一つとなっており、ブラジルから大豆や鉄鉱石、牛肉、鶏肉、コーヒー、オレンジジュース、ココア、砂糖、トウモロコシ、蜂蜜、プロポリス、ココアなどを輸入しています。また特殊化学品、加工鉱物、セルロース、航空機などブラジルの付加価値製品の需要も高くなっています。
ブラジル中央銀行によると、日本にとってブラジルは中南米最大の貿易相手国であり、対ブラジル投資額は214億ドルに上っています。またブラジル全国工業連盟（CNI）の2022年の調査では、日本はブラジルの主要貿易相手国中で9位を占めています。
対日輸出の流れを理解し、日本市場における存在感獲得に役立つ実践的なヒントや事例をご紹介します。
1. 日本市場を理解する
まずは日本市場の様々なニュアンスを理解することです。大豆、鉄鉱石、原油、砂糖、牛肉・鶏肉、大豆ミール、セルロース、とうもろこしなど、日本に広く浸透しているブラジル製品について調査しましょう。
見本市や各業界イベント、ネットワーキング活動への参加を通じて、日本での人脈を構築しましょう。現地のパートナーや潜在顧客、その他の利害関係者と強固な関係を構築することは、長期的な成功のために極めて重要です。
2. 市場調査の実施
日本の消費者の嗜好や好み、潜在的な需要を理解するために市場調査を行いましょう。トレンドを把握し、消費者の好みに合わせて製品を改良してください。市場調査の結果に基いて、製品を日本の消費者の嗜好や希望に適合させ、厳しい品質基準をクリアしましょう。
3. 現地でのパートナー探し
日本に製品を輸出するには、輸入登録を行い、希望する分野に精通した現地の輸入業者や商社と業務提携をする必要があります。こうした取引先は、市場に関する貴重な見識を提供し、日本の複雑な輸出規制制度への対応もサポートしてくれます。
4. 現地の規制を知る
健康や安全、包装、表示に関する各種基準など、日本特有の規制の遵守に努めましょう。ラベル表示はすべて日本語表記で、原材料やアレルゲンの可能性、賞味期限など詳しく記載することが求められます。また日本への輸送プロセスについては、最も効率的で費用対効果の高い輸送方法の選択から、通関手続きの理解、機動的かつ信頼できるサプライチェーンの確保なども含めて検討しましょう。
5. 成功事例
日本進出に成功したブラジル企業を参考にしましょう。例えば、牛肉や鶏肉を輸出している企業は、日本の消費者のニーズに合わせてカットや包装の工程を工夫するだけでなく、高品質にこだわりながら製品にストーリーを持たせることで付加価値を高めており、ブランド戦略のヒントを与えてくれます。
6. ブランドの国際化
日本の消費者とつながるためのマーケティング戦略を立てましょう。こうした戦略には、魅力的なパッケージの開発から、ブラジル製品の原産地や品質をアピールする広告展開、日本で人気のSNSやオンライン・プラット フォームを活用したブランドの認知度向上の取り組みなども含まれます。
日本市場に特化したコンサルティングサービスのご利用をご検討ください
1972年に日本に進出したブラジル銀行は、貿易に特化した支店を東京都内に設けており、日本国内で新たな取引先とのパートナーシップを確立するためのサポートを行うとともに、以下のような輸出に必要なソリューションを提供しています：
1) マルチカレンシー口座
米ドル、ユーロ、日本円、ブラジルレアルなどの通貨で受払い口座を用意していれば、会社にとって最適なタイミングで投資や両替ができ、キャッシュフローの管理しやすくなります。こうした取引はすべてBBコーポレート・バンキング（インターネットバンキングPJ）を通じて直接管理することができます。
2) 信用状
特別な財務条件の信用状の発行で、取引の安全性をさらに高めることができます。
3) 与信
輸出金融や輸入金融、信用状割引、フォーフェイティング取引に各国の金利をご利用いただけます。また、日伯租税条約に基づく金利優遇措置をご利用いただける場合もあります。
4) 多言語に対応
現地の市場に関する幅広い知識を持ち、多言語（ポルトガル語、日本語、英語、中国語）で対応できるスタッフが、日本やアジア全域で新たな取引先へのアプローチをサポートします。
詳細についてはホームページをご覧ください。
https://www.bb.com.br/site/japao/pessoa-juridica/
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