ブラジル館が「女性ウィーク」で、ケア・エコノミーと雇用可能性に関するディスカッショ ンを開催 家事での労働は、数兆ドルの市場価値を生む可能性がある

写真:パウラ・タシマ氏、エリカ・タムラ氏、アナ・パウラ・ヘペーザ氏、アンドレア・ス カルダフェッリ氏、ブルーナ・コルテラ氏、チョウ・シー・アンダーソン氏

ブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)が主催する大阪・関西万博のブラジル館では、ディ スカッション「ケア・エコノミー:女性の雇用への影響」を開催しました。このイベントは、 同館が主催する「女性ウィーク」の一環として行われました。討論では、どのように女性雇 用を維持するか、ジェンダー平等を実現するかに焦点が当てられ、さまざまな出身地の国際 的な女性リーダーたちが参加し、各々の見解を共有しました

これはブラジル館が開催している「女性ウィーク」の一環で、女性が社会的に持つポテン シャルを中心に、雇用におけるジェンダー平等を促すことを目的としています。ディスカッ ションは、女性の雇用促進とジェンダー平等を実現する上で不可欠な「ケア経済」に焦点を 当て、多様なバックグラウンドを持つ国際的な女性リーダーたちが意見を交わしました。

当イベントのモデレーターを務めたのは、ブラジル銀行のリテール・マーケティングマネー ジャーであるブルーナ・コルテラ氏。コルテラ氏は国連女性機関(UN Women)の研究を取 り上げ、「女性は男性に比べて2.5倍の時間を無報酬のケア労働に費やしています。これによ り教育、正規雇用、政治参加などさまざまな機会が制限されているのです」と指摘しまし た。今日、世界では7億800万人の女性がケアの責任から労働に就けていない現状があり、こ れは労働年齢に該当する女性のほぼ3分の1にあたります。また、国連女性機関(UN Women)はケアに焦点を当てた公共政策により2035年までに最大3億件の雇用を生み出し、 包括的な経済回復を促進できる可能性があると指摘しています。

ブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)のビジネスディレクターであるアナ・パウラ・ヘ ペーザ氏もイベントに参加しました。彼女こそ、2023 年に「女性と国際ビジネス」プログ ラムを創設した人物です。同プログラムは、世界貿易機関(WTO)の国際貿易センター (ITC)から授与される「WTPOアワード2024 – 輸出開発イニシアティブ優秀賞」を受賞し ました。2025 年には、WTOより「貿易におけるジェンダー平等賞」を受賞しました。

企業組織
「ケア経済」は、子どもや高齢者など、家族の世話や家事など生活において不可欠な活動で す。しかし、依然として「見えない労働」として男女間で不平等に分担されることが多く、 無償であることはもちろん、過小評価されている現状があります。こうした現状に対し、女 性のポテンシャルを訴えたのは、ブラジル銀行上海支店でゼネラルマネージャーを務めるア ンドレア・スカルダフェッリ氏。スカルダフェッリ氏は、ブラジル銀行では2022年から多 くの女性が同行内の主要役職で活躍していることを例に挙げ、企業や機関が社会の変革者で あることの重要性を訴えました。「女性には、子供の面倒を見たり家事をしたりする負担が 大きく、チャンスを必然的にのがしてしまいがちです。しかし、ジェンダーの平等により社 会は変革しますし、私たちは女性をサポートするさまざまなプログラムを提供しています。 大事なのは、知識や教育をベースとしたうえで、チャンスが現れたらつかみにいくという姿 勢です。」とスカルダフェッリ氏は語りました。

アルゼンチンにルーツを持つパウラ・タシマ氏は、企業としてジェンダーをビジョンに入れ ることの必要性を訴えました。「女性を積極的に昇進させるのは重要ですが、『女性だから 昇進した』という偏見ではなく、実力で昇進したという理解が必要です。会社や組織でジェ ンダーについて話す機会を設けないと、一生ジェンダーの課題は解決しません。会社として 『変えるべきかな』という感覚ではなく、実践することが必要なのです。」と強調しました。 タシマ氏は、テクノロジーを軸とする企業『EY』で、アジア太平洋エリアおよび日本地域 のキャピタルマーケットリーダーを務めます。タシマ氏は男性の理論的側面と、女性の柔軟 性を組み合わせることで、より発展できるという可能性も示唆しました。

W20オーストラリア代表を務めたチョウ・シー・アンダーソン氏は、育児の負担を軽減する ことで、経済の発展を促すことの重要性を訴えました。「1人ずつ自分の子供をケアするよ り、10人の子供を1人でケアしたほうが、女性の社会復帰を促せます。家庭内での無償の仕 事はGDPに含まれませんが、これにより9兆ドルもの市場価値を生むことができます」と彼 女は話します。またジェンダーに関する固定観念について、「固定観念は家庭からはじまり ます。『あなたは男の子だから』、『あなたは女の子だから』とは絶対に言ってはいけませ ん。これは間接的な暴力になり、社会的な不幸を生み出します」と、家庭レベルでの変革も 訴えました。

女性の社会進出により、日本におけるブラジル人コミュニティの可能性を強調したのは、 NPOサビジャ(在日ブラジル人を支援する会)の理事長を務めるエリカ・タムラ氏です。タ ムラ氏は、来日直後に工場勤務していた自身の体験をふまえ、「ブラジルから来日する人は さまざまな期待をもっていますが、多くの場合、夢見たものとは異なる現実に直面します。 言葉、文化などすべてが異なる日本で生活することは、想像以上に大変です」と話しまし た。タムラ氏が率いるNPO Sabjaでは、日本語だけでなく心理的や法的なサポート体制を整 えており、日本で暮らすブラジル人を全面的にサポートしています。活動のモチベーション として「私たちはブラジル人女性のポテンシャルを心から信じています。ブラジルで大学を 出て資格を取得した人も、日本では工場で働いたり家事で家にいます。こうした女性が社会 に進出すれば、ブラジル人コミュニティが成長するだけでなく、日本の発展にもつながるの です」と話しました。

この議論は、2024年にブラジルで開催されたG20におけるディスカッションの議題を導いた うえ、大阪・関西万博の参加国にも拡大できる可能性があるため、とても大切です。さらに、 この提案は、ジェンダー課題に直接的・間接的に取り組むブラジルの関連機関 ― 外務省、 女性省、農業開発省、農業・家族農業省、女性起業家ネットワーク、W20、そして国連女性 機関(UN Women)とも連携しています。

国連女性機関(UN Women)

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