ブラジル銀行のタルシアナ・メデイロス頭取 CCBJアワード・パーソン・オブ・ザ・イヤーを受賞

東京 ー ブラジル銀行のタルシアナ·メデイロス頭取は、8月22日に「CCBJアワード·パーソン·オブ·ザ·イヤー」を受賞しました。在日ブラジル商工会議所が2010年に創設し、ブラジルと日本の両国関係に功績のあった財界人に贈られる賞です。メデイロス氏は、女性として初めてブラジル銀行の頭取に就任した経歴や、米フォーブス誌が発表した世界で最も影響力のある女性の一人に選出されたこと、経済発展と社会的責任に対する積極的関与などが評価され、今回の受賞となりました。

メデイロス氏は受賞スピーチで、「このたび在日ブラジル商工会議所からCCBJアワード·パーソン·オブ·ザ·イヤーという栄えある賞をいただき、言葉では表現しきれないほど感謝しています。私が初の女性受賞者に選ばれたことも栄誉に感じますが、今回の受賞はブラジルと日本の商業関係強化への私の関与をさらに強めるものでもあります。しかし、それ以上に重要なのは、この受賞は私個人に与えられたものではなく、ブラジル銀行が日本で50年以上にわたり築いてきた関係性構築の道のりを象徴していることです。」

1972年の日本進出以来、ブラジル銀行は日伯間の貿易や投資、文化面における関係強化に大きく貢献しています。また半世紀にわたって日系ブラジル人社会への支援や日伯貿易振興に欠かせない重要な役割を果たしてきました。ブラジル銀行は、ブラジルと日本間の輸出入を促進する金融業務を行うだけでなく、ブラジルの文化や価値観を発信しながら、両国間の文化交流や経済界の対話を後押ししています。

メデイロス頭取はスピーチの中で、ブラジル銀行内での持続可能性の需要性についても語りました。現在、同行の与信ポートフォリオの約3分の1は持続可能な事業が対象となっており、300万件以上の取引で約3,600億レアルがグリーン·クレジットに投資されています。「炭素クレジット市場におけるブラジル銀行の取組みにより、荒廃地の再生に加えて、67万ヘクタール以上の森林保全が実現しました。」

トロフィーのプレゼンターとして登壇した在日ブラジル商工会議所の行徳セルソ会頭は、メデイロス氏の卓越したリーダーシップを称えました。「ブラジル銀行の頭取とは、そのたゆまぬ努力と戦略的ビジョンによって、金融部門のみならずブラジル社会全体を刺激する存在です。メデイロス氏の指揮の下、ブラジル銀行はラテンアメリカ最大級の金融機関としての地位を確立しただけでなく、より持続可能で包括的、デジタル化の進んだ未来に向けて大きな一歩を踏み出しました。」

駐日ブラジル大使館のチアゴ·ポッジオ·パドゥア臨時代理大使は、サステナビリティに対するブラジル銀行の強い決意をあらためて強調しました。「2024年にブラジル銀行は5年連続で世界で最も持続可能な銀行に選ばれました。こうした評価は、ブラジル銀行の社会的責任に加え、同行が日本とブラジルの両国にとっても戦略的かつ優先的課題の一つである持続可能な開発目標を重視していることを反映しています。」

授賞式には、外務省の野口泰中南米局長、在東京ブラジル総領事館のアンドレ·シェルモン·デ·リマ総領事、在名古屋ブラジル総領事館のルイス·フェルナンド·アボッチ·ガウヴォン総領事、在浜松ブラジル総領事館のアウデーモ·ガルシア総領事も出席しました。

数字で見るブラジル銀行の多様性

ブラジル銀行は中南米で最も影響力のある金融機関で、ブラジル国内の農村部の小さな町から大都市まで全市町村の95%にあたる地域に店舗を持ちつ。海外拠点も含めた全従業員数は計12万5000人に上る。日本を含む11カ国に進出しており、日本では在日ブラジル人コミュニティーの支援や、日伯間の商業·文化関係強化において重要な役割を担っている。

多様性への関与はブラジル銀行の人材管理戦略の支柱のひとつであり、取締役会のうち女性が44.4%、黒人が22.2%を占める。この数字は同行が組織内のあらゆるレベルでインクルージョンと代表性の促進に努めていることを反映している。またブラジル銀行は国連グローバル·コンパクトの「生活賃金」、「人種は優先課題」、「女性リーダーシップ2030」の取組みのアンバサダー企業でもあり、あらゆるレベル、あらゆるセグメントにおいてインクルージョンを推進するという使命を再認識している。

トロフィーについて

CCBJアワード·パーソン·オブ·ザ·イヤーのトロフィーは、大竹富江氏がデザインを手がけました。サンパウロ国際空港入口に設置された同氏の彫刻作品を彷彿とさせる形で、ブラジルと日本の関係を象徴しています。トロフィーは、ブラジルの展覧会や美術、デザイン、建築の発信地であるサンパウロの大竹富江文化センターの協力を受けて制作されました。

京都生まれの大竹氏は1936年に渡伯し、2015年に102歳で亡くなるまでに数々の賞を受賞しました。100歳から101歳までに制作した30点の絵画作品は、最後の個展で展示されました。

CCBJアワード·パーソン·オブ·ザ·イヤーは、アルファインテル、ブラジル銀行、ブラステル、シトロスコ、晃和、太陽コーポレーション、WEGの協力を受けて開催されました。

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