ブラジル銀行のタルシアナ・メデイロス総裁頭取 CCBJアワード・パーソン・オブ・ザ・イヤー受賞へ

在日ブラジル商工会議所(CCBJ)は、8月22日に都内で「CCBJアワード・パーソン・オブ・ザ・イヤー」を開催します。今年はブラジル銀行のタルシアナ・メデイロス頭取が受賞者に選出されました。

在日ブラジル商工会議所(CCBJ)は、ブラジルと日本の両国関係において功績のあった財界人を表彰することを目的として2010年にCCBJアワード・パーソン・オブ・ザ・イヤーを創設しました。

メデイロス氏は女性として初めてブラジル銀行の頭取に就任しました。CCBJアワード・パーソン・オブ・ザ・イヤーが女性経営者に贈られるのも今回が初となります。

2023年1月の就任以来、メデイロス氏は全従業員12万5000人のトップとして経済開発と社会的責任の両立に向けた活動を進めながら、ブラジルと日本の二国間関係の強化にも貢献しています。ビジネスや社会への強い影響力が認められ、米フォーブス誌が発表した世界で最も影響力のある女性の一人にも選ばれました。

創立より215年の歴史を持つブラジル銀行は、1972年の日本進出以来、日伯間の貿易や投資、文化面における関係強化に大きく貢献しています。こうした関係は、日本人のブラジル移民が始まった20世紀初頭まで遡ることができます。日系ブラジル人社会は、農業や商業、文化などの分野に寄与しながら、ブラジルの発展に欠かせない役割を果たしてきました。ブラジル銀行は、日系社会の功績を評価し、常に日系社会に寄り添いつつ、このような歴史的な関係を強化するための資金援助や取り組みを推進してきました。

タルシアナ氏率いるブラジル銀行は、ブラジルのアグリビジネスや対外貿易を支える主要パートナーの一つとして、日本との二国間投資を促進し、日本との取引や日本国内での事業拡大に取り組む企業をサポートしています。また、在日ブラジル人コミュニティに対する支援でも中心的な役割を担い、金融教育プログラムや金融ソリューション、サービスなどを通じて、在日ブラジル人が日本社会に適応し、成功や夢を実現する手助けをしています。

またブラジル銀行は日本とブラジルの伝統を称える文化イベントの開催もサポートし、相互理解の推進に取り組んでいます。これまでも常に多様性と包括性を重視し包括的で平等な職場環境を推進してきましたが、こうした大義を擁護するタルシアナ・メデイロス頭取は、機会均等と多様性を後押しする方針を導入しています。

5年連続で「世界で最も持続可能な銀行」に選ばれたブラジル銀行は、再生可能エネルギーやサステナブル農業関連のプロジェクトに力を入れていますが、こうした活動は日本とブラジルの両国にとって戦略的かつ優先的課題の一つである持続可能な開発目標を同行もまた重視していることを示しています。そしてメデイロス頭取の戦略的展望により、生活のあらゆる瞬間に常に寄り添いながら、ブラジルと日本の関係にプラスとなる効果を生み出し、両国間の歴史的な結びつきを強めるというブラジル銀行の決意はさらに強化されました。メデイロス頭取の受賞は、同行がブラジルと日本の両国関係の支援と発展において継続的かつ歴史的な役割を果たしてきた功績を称えるものです。

CCBJアワード·パーソン·オブ·ザ·イヤーは、アルファインテル、ブラステル、シトロスコ、晃和、太陽コーポレーション、WEGの協力を受けています。

トロフィーについて

CCBJアワード·パーソン·オブ·ザ·イヤーのトロフィーは、大竹富江氏がデザインを手がけました。サンパウロ国際空港入口に設置された同氏の彫刻作品を彷彿とさせる形で、ブラジルと日本の関係を象徴しています。トロフィーは、ブラジルの展覧会や美術、デザイン、建築の発信地であるサンパウロの大竹富江文化センターの協力を受けて制作されました。

京都生まれの大竹氏は1936年に渡伯し、2015年に102歳で亡くなるまでに数々の賞を受賞しました。100歳から101歳までに制作した30点の絵画作品は、最後の個展で展示されました。

メデイロス氏の経歴

タルシアナ・メデイロス氏(45)は、ブラジル北東部のパライバ州出身。経営学科卒業後、大学院で経営、ビジネス、マーケティング、リーダーシップ、イノベーション、マネジメントを学び、ビジネスインテリジェンスとアナリティクスのMBAを取得。上級管理職になるための教育も受けました。

メデイロス氏の経営の下、2023年にはブラジル銀行の株価上昇率は70%を超え、過去最高の業績を記録しました。またメデイロス氏はSDGs10の目標(人や国の不平等をなくそう)の国連グローバル・コンパクトのスポークスパーソンとして、多様性を経営の中心に据えました。

頭取就任以前は、ブラジル銀行のリテール営業部門(個人及び小規模企業)でエグゼクティブ・マネージャーを務め、顧客関係サイクルを担当していました。2019年、ローン融資ソリューション部門のエグゼクティブ・マネージャーに就任。2018年には、BB Segurosの責任者に就任。2017年、ブラジル銀行の幹部向け昇進プログラム合格。2015年から2017年までBB Segurosの監督者として戦略的ビジネスモデルを開発。ブラジル銀行入行前は、教師をしたり市場で働いたりした経験もあります。

ブラジル銀行

ブラジル銀行は1808年にブラジルで最初の金融機関として創設され、215年の歴史があります。

ブラジル連邦政府が過半数の株を保有しています。ブラジル銀行は200年以上の歴史の中で、ブラジルの歴史と文化に強く関わりながら、パイオニア精神と経験を積み重ねてきました。またブラジルで最も認知度と価値の高いブランドとして、その歴史を通じて信頼性や安全性、現代性、信用性などを培ってきました。

しっかりとした社会的機能と金融ビジネスへの対応力を持つブラジル銀行は、中核的価値観を失うことなく高い収益性を持つ企業となることが可能であることを示すことで、競合他社と一線を画しています。

日本におけるブラジル銀行

ブラジル銀行初の在日支店は、今から50年以上前の1972年に日本の金融の中心地である東京・丸の内に開設されました。

顧客向けに金融ソリューションを提供し、ブラジルの貿易促進のための資金を調達するという使命に沿って、ブラジル銀行は個人や法人だけでなく領事館、大使館など政府機関とも取引を行なっています。

また顧客の利便性向上を目指し、多通貨を運用できるマルチカレンシー口座や、迅速かつ安全な海外送金サービス、セルフサービス取引や各金融機関との提携サービスなどの開発にも注力してきました。現在、イオン銀行、セブン銀行、ゆうちょ銀行及び三井住友銀行との提携により、日本全国で計6万5000ヶ所以上のATMが利用できるようになっています。

ブラジル銀行は東京、名古屋、浜松に営業拠点を持ち、それ以外の地域でもより便利かつ簡単に銀行サービスを利用してもらえるよう、小規模な営業所の機能を備えた自動車による移動店舗「BB Móvel」で日本各地のイベント会場や工場、社員寮などを訪問しています。

在日ブラジル商工会議所

在日ブラジル商工会議所(CCBJ)は、日伯経済活動の促進を目的として2001年に設立されました。日本国内で活動する経営者らの主導により営利を目的としない団体として設立され、駐日ブラジル大使館の協力を受け、日本の対ブラジル投資やブラジルの対日投資促進を目指して活動しています。

 

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