デジタル農業

NTTは4年前にNTTアグリテクノロジーを設立しデジタル農業の分野で事業を展開している。同社は農業分野の人手不足や農地の減少、技術指導者の不足などの問題の解決に向けて5Gを活用する実験を進めている。

東京都はNTTが開発した技術を紹介するため、調布市のNTT中央研修センタでメディアツアーを開催した。ショッピングセンターなどの駐車場にも設置可能な小型のハウスに、4Kカメラ、立川市にある東京都農林総合研究センターの研究員が遠隔操作するカメラなどを設置し、人手の介入を最小限にしてトマトなどの野菜を育てる仕組みの実証が行われている。作業者が装着するスマートグラスからは、葉の枚数などのデータが自動的にセンタに送られる。

NTTアグリテクノロジーの小林弘高COOによると、このシステムを使えば、毎日少なくとも5分間程度はオンラインで生産者と連絡を取って指導を行うことができ、農産物ロスの防止につながるという。

農林水産省によると、日本の農業従事者は1998年の10,634人から2021年には32%減の7,202人となった。小林氏は、温度や湿度、水、その他のデータを分析できるこのシステムが、今後農業分野で普及していくと期待している。

ただし普及には小型のハウスを組み立てるコストが障壁となる可能性がある。NTTによると、400平方メートルのハウスに約4000万円の費用がかかるという。またハウスの設置費用は補助金の対象となる。

記事・写真:羽山・ネイデ

Facebook
Twitter
LinkedIn
Pinterest
WhatsApp